絶対やせて貰います。

ダイエットを成功させられるかは家族の協力なしにはあり得ないと踏んだ私は、

「今日からダイエットを始めます」と宣言し、父と弟に協力を仰ぐ。

今までの”がっつり系”のメニューから油を控えたヘルシーな献立になると言ったところ、思いのほか喜んだのは父だった。

さすがに三食”がっつり系”の食事では身が持たないと私が作っていた”がっつり弁当”は家庭の味に飢えている若い部下(一人暮らしの独身社員)数人と日替わりで”ヘルシー弁当”とトレードしていたとカミングアウト。

私が作ったお弁当は若い社員とのコミュニケーションツールになっていたと正直に話してくれた。

『あーそれでか……』

父は家で食器類など洗ったこともないのに、いつも弁当箱は綺麗に洗って持ち帰ってくれた。

しかも時々弁当箱の中に可愛いクッキーやチョコが入っていて

私が「お父さん……ありがとー」ってお礼を言うと

「あぁー、うん」と目を泳がせて気まずそうにしていたなと思い返し合点がいく。

弁当箱を洗ってくれたのも、お菓子を入れてくれたのも部下の人ってことなんだね?

「こいが作るのだったら何でもいいよ」と言ってくれた優しい父。

いつも弟が優先で父の嗜好を考慮してあげられなくて申し訳なかったなって反省する。

……でも”がっつり弁当”を介して若い社員とコミュニケーションをはかり、独身社員の体を気遣ってあげられる父を誇らしく思った。

「これからも時々”がっつり弁当”持参してトレードしたら?」そう私が提案したら……

「うん、頼むなぁー」秘密がなくなりホッとしたのか?笑顔が素敵ですお父さん。

錦野家は家族のコミュニケーションもバッチリです。



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