絶対やせて貰います。

プロポーズ?


歩けば30分の距離も車だとあっという間に小岩井家に到着してしまう。

カンナちゃんの車に乗り込んでからも「旭君。外出中かも知れないよ」と言えば……

「残念でした在宅です」と返ってくる。

「カンナちゃんにお裾分けするつもりのおかず持たせるのを忘れたから、一旦戻って」と言えば……

「遼にこいの料理を食べさせたら私が作る料理を食べなくなるからいらない」

そんなやり取りをしている間に小岩井家に到着した。

暫く経っても中々車を降りようとしない私に痺れを切らせたカンナちゃん。

運転席から降りると助手席に回り半ば無理やり私を車から引きずり降ろすと「こい。頑張れ、吉報待ってるから……」そう言い残して颯爽と立ち去った。

一週間前。

私はこの家の前でもう此処に来ることは無いんだと涙に暮れていた。

まさかこんなに早く此処へ戻ってくるなんて思いもしなかった。

あと一歩が踏み出せずに門の前で佇んでいたら”ガチャリ”と玄関扉が開いて中から買い物用のカート引いたマリアさんが出て来るのが見えた。



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