絶対やせて貰います。

この会場に来てくれたのは新郎、新婦の両親に本当に親しく付き合っている友人たちだけ……

父は喜びと切なさを滲ませた表情で私たちを見守ってくれている。

母は唯々嬉しくて仕方ないって感じの満面の笑みを浮かべている。

二人のギャップが可笑しくて……くすぐったい。

マリアさんは……お義母さんはいつもと変わらない優しい微笑みを浮かべ、お義父さんの目には涙が浮かんでいる。

飛鳥ちゃんのご両親、カンナちゃんのご両親、遼君のご両親に和田夫妻……

うちの両親と同世代の親御さんたちが一堂に会して、まるでPTAの集まりのように賑やかだ。

私たちは三組で相談して人前式を選択していた。

皆で一緒に考えた宣誓の言葉を会場に来てくださった参列者の前で宣誓をする。

「逆玉だと揶揄される事があっても……腐らず」

「年下を罠にかけて騙したと言われる事があっても……腐らず」

「痩せている時も……」

「太ってしまっても……」

「「「「「「その時々で、刻々と変化してゆく愛を、
……一生涯育み続けることをここに誓います」」」」」」

うわぁーと上がる歓声と共に「キース。キース。キース」キスコールが響き渡る。

誓いのキスを省略していた私たちは皆の声に動揺を隠せない。

キスをするまでキスコールを止めるつもりがないと悟った遼君がカンナちゃんに熱烈なキスをしたものだから会場は更にヒートアップしてゆく。

ことちゃんも覚悟を決めたのか?

右手は飛鳥ちゃんの頬へ、左手は飛鳥ちゃんのお腹に添えて優しいキスをする。

見ている私も胸が一杯になり涙が溢れてしまいそう。


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