絶対やせて貰います。

吉田さんが話し終えたところでベッドを仕切るカーテンが”シャーーー”と音を立てて開く。

そこからカンナちゃんと飛鳥ちゃんが姿を現した。

二人の突然とも言える登場に吉田さんが気まずそうな表情をしたのは、ほんの一瞬だけ。

そこからつぶさに見られていたとあっては……今更取り繕うのも馬鹿らしく感じたのか?

二人の前でも不遜な態度を見せ始める吉田さん。

そんな状況下にあって一番に口を開いたのはカンナちゃん

「前々から笑顔が胡散臭いなとは思ってたけど……これ程とは恐れ入ったわね。

何が気に入らなくて”こい”に牽制してんのか知らないけど、普通は付き纏われてから初めて警告するじゃないの?

それ以前に”こい”はさっきまで気を失ってて私が動画を見せるまで保健室に連れて来たのが小岩井ってのも知らなかったし……

百歩譲って小岩井本人から『付き纏うな』って言われるならまだしも何で吉田さんに?」

迫力満点なカンナちゃんの理路騒然とした物言いに、可愛く見られようなんて気持ちは微塵も残っていないのか?悔しそうに顔を歪める吉田さん……やっぱり黙って引き下がるような人では無かった。



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