絶対やせて貰います。

「そーだね、今のこいちゃんは可愛いけどあの写真を見た後だともう気持ちが変わったから。

今後はこいちゃん見る度にあの写真を思い出すのは確実でしょ……」

こんなにも酷い言葉を平気で口にできる彼のどこを優しいと思っていたのだろう?

ショックのあまり何も言葉が出てこない。

「まぁー深い関係になる前でお互いに良かったんじゃない?」

事も無げに言葉を続ける悠斗君は全然知らない人みたいで、残忍な笑顔が今まで見せていた朗らかな笑顔を上書きして忘れられなくなりそうだ。

「あっ!バイト先で一緒になるのが気まずかったら、こいちゃんが店辞めてくれる?

俺、来年には卒業だから出来たらそのまま同じところで働きたいからさ

じゃあ、俺帰るね」

言いたいことだけ言い放ち私の返事も聞かずに悠斗君は帰って行った。

心を込めて献立を作り、出来上がりを待つばかりの料理は振る舞われることがないままお鍋の中でグツグツと音を立てている。

頭は鈍器で殴られた様に痛みだし、呆然とするあまり流す事も忘れていた涙が溢れ出したのはそれから暫く経ってからだった。


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