絶対やせて貰います。

謝ってください


新参者の登場で異様な盛り上がりを見せ始めた”合コン”だった筈のテーブル席は、離れて座っていた4名の視線も集めてしまった。

ここに居る男女の比率から3名の女性が帰ってしまったと推測、たぶん私がトイレで会った人たちだ。

さっきは邪魔しないように4名の顔を見ていなかった……でも男性メンバーは全員見知った顔で本当に高校の同期会さながらだ。

そのせいか先程は楽しそうに会話していた女性2名の顔が若干怖いです。

「あれ……何で居るの?」

私たちが居るのを驚いた様子で見ているのは私とカンナちゃんの大学の同期。

「遼……おまえどこに居たの?」

「これ……」スマホをヒラヒラさせながらこちらに向かって来るのは吉川遼君。

偶然なのかは分からないけど、カンナちゃんと遼君と私は同じ大学の同じ学部の同じ学科に籍を置いている。

それなのに、カンナちゃんと遼君の関係は高校の時と殆ど変っておらず、直接
二人が会話を交わすところを一番近くに居る私でも目にしたことがない。

二人の間で『人前で会話をしない』そう話し合ったとしか考えられないけど、
私は二人の関係をカンナちゃんに尋ねた事はない。

いつかその理由をカンナちゃんが話してくれると信じているから。


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