君のとなりで

甘い魔法 side実結

あたしをぎゅっと抱きしめたまま動かない颯。

顔をあげて颯の表情を見たいけど、身長てきにあたしの頭の上に颯の顔があるから見れない。

ふっと力が弱まって颯の腕が離れていく。

「遅いし、帰るか。」

そう言ってすたすた歩き始めた颯。えっ?もう終わり?もう少し一緒にいたいよ!

あたしは思わず颯の腕を引っ張った。

少し驚いたようにあたしをみる颯。

「もうちょっと一緒にいたい…」

ひゃー…恥ずかしい!こんなこと口走っちゃうなんて、やっぱりバレンタインの力は恐ろしいな…

「…お前さ、そういうこと言ってると何かあっても知らねえよ?」

なにかあったらって…何があるの?

「何かって?」

颯はニヤリと笑うとあたしの耳元に口をよせた。

「例えば、この前の続きとか?」

この前の続き…?なんだっけ…あっ!もしかしてあの、一年記念の日の…

はっ!そういえば!

「ねぇ!颯今日河村先輩とその…」

「何だよ?急に…」

話を急に変えたのが不審に思ったのか眉値をよせる颯。
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