君のとなりで

嫉妬 side颯

目を開けると、暗闇だった。

もう夜なのか?

ずきずきと痛む頭を起こして枕元の携帯を見る。

7時半…通りで腹が減るわけだ。

だるい体を起こしてベッドからでた。

「颯、起きたの?何か食べれる?」

「うん、腹減った。」

何気なく机の上を見ると赤いりんごが3つ、のっている。

「ああ、それ、実結ちゃんから。颯へのお見舞いよ。さっきまでいてくれたんだけど、うつしちゃだめだし、帰ってもらったの。」

さっきまで…ってことはあの夢は、現実だったってことか?

さっき見た夢、それは実結が隣にいて、手をつなごうとしても、どんどん離れていってしまう。

やっとのことで繋いだ手は小さくて、柔らかくて、安心した。

「実結ちゃん、最近家に来てなかったから颯と喧嘩でもしたか、彼氏でもできたのかと思って。」

喧嘩なんてしてない。でも喧嘩ならどんなに楽か。

そして母さんは知らないけど、実結が付き合ってるのは俺なんだ。
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