君のとなりで
だけど、体育会と文化祭が終われば3年生は本格的に受験のために学校に来るようなもの。

きっと忙しくしていれば、いつかいい思い出になるはずだよね。

いつまでも引きずっていたら颯にも迷惑だもん。

今はとりあえず、受験のことと、体育会に向けての準備を全力でやるのみ!

視線が颯を追っちゃうことくらい許してください。

「藤咲さん、じゃあね、俺こっちだから。」

いろいろ考えてたらいつのまにか校門の前にいた。

「うん、じゃあね、今日はありがとう。」

「いや、俺お礼言われるようなことしてないよ?まあ、いいや。バイバイ。」

都築君がいってしまうとあたしは一人で歩き出す。

なんか慣れないな…

今までずっと小学生のときから颯と帰ってたから。

一人で帰るのは変な感じ。

中学生のときくらいから二人で帰るのを冷やかされたっけ。

颯はあのとき、隣じゃなくてあたしの少し前を歩いてた。

高校生になって、付き合うようになってからはまた隣を歩いてくれるようになった。
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