君のとなりで

幸せ　side実結

颯の家は真っ暗で誰もいなかった。

「聖君と美恵さんは？」

「兄貴は真結ちゃんとどっかいってるし、母さんも日菜さんと飯だって。」

颯が机の上においてあったメモ用紙を見ながら言った。

そっか、そうだよね！

今日は、クリスマスイブ。

特別な日に違いないもん。

温かいココアを淹れたカップを2つ持って颯が自分の部屋のエアコンをつけた。

しばらくすると部屋が温まってきてなんだかおちついた。

あたし、颯と一緒にいていいんだ。

久しぶりに入った颯の部屋は相変わらず殺風景で無駄なものがない。

颯が隣にいることが嬉しくて、顔が思わずニヤニヤしちゃう。

颯の顔を見ながら、実感する。

「何見てんの？」

「えっ…うーん、なんかね、嬉しくて！」

本当に嬉しい。

だってまたこうして、颯がそばにいるんだもん。
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