君のとなりで

日の出と共に side実結

手を繋いだまま、屋上に上がると少しだけ空が明るくなっていた。

もうすぐ日の出が上がる。

屋上は寒いけど、繋がれた手は暖かい。

少しずつ、あたりが日に包まれて、颯の綺麗な横顔が浮かび上がって。

長いまつげに陽の光があたってキラキラしてる。

どうしてだろう。

なんだか鼻がツンとして、目頭が熱くなっていた。

「実結、見える?」

またあたしを子供扱いする颯。

「見えるよっ!」

そう言うと、最大級に幸せになれる笑顔を見せてくれた。

好き。

今年も、来年も、再来年も、ずっと好き。

神社でしたお願いごと。

颯がアメリカでバスケを頑張れますように。

それから、

あたしが一人でも頑張れますようにって。

これからはアメリカと日本、そう簡単に逢える距離じゃない。

たぶん、さみしくて、元気になれない日もあると思う。

泣かないって決めてるけど、きっと泣いちゃう。

それでもあたしはずっと、想ってる。

颯のことを想ってるから。

「颯!」

日の出を眺めながら、ボーッとしていた颯を呼ぶ。

「なに?」
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