君のとなりで

ヤキモチ side実結

あゆちゃんの告白が無事終わって、あたしと早紀ちゃんは待ち合わせ場所の下駄箱へ。

颯と昂君が待ってるはず!

…だったのに、いたのは昂君一人だけ。

あれ?

あたしたち結構遅くなったのに、颯、まだなのかな。

「昂ー、おまたせ。」

早紀ちゃんが声をかけると、ものすごく嬉しそうな顔でこちらにやってくる昂君。

「あれ、颯君は?」

早紀ちゃんが昂君に聞くと、昂君は目を泳がせた。

「あー…、なんか後輩から呼び出されて今行ってる。」

昂君は体育館の裏を指差した。

…告白、かな。

今日はバレンタインだもん。

それに後輩なら、3年生が自由登校になった今、全員が登校の今日は絶好のチャンス。

バスケ部の後輩なのかな。

だったら颯とも話が合うんだろうな。

あたし、バスケのことあんまりわかってあげられないもん。

小さい頃からよく真結ちゃんや颯の試合は見に行ってて、なんとなくルールくらいは知ってるけど、やっぱりやってる人にしかわからないことってあると思うし…

「実結?暗い顔して、どうしたの!」

「早紀ちゃん…、あたし、こんなことでモヤモヤしちゃって、心狭いよね。」

颯がモテるのなんて今に始まったことじゃないのに。

毎年わかってることなのにね。
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