君のとなりで

疑惑 side実結

「ありがと!買い物付き合ってくれて!」

「いいよ、ちっちゃい実結にこんな荷物もたせらんないでしょ。」

「瞬君に言われたくない!」

あたしはただいま、晩御飯の買い物中。

二週間後に卒業式を控え、いよいよ3月というこの時期、自由登校のせいで暇を持て余していたところに同じく、同級生の暇を持て余している従兄弟、突然瞬君がうちに遊びに来た。

瞬君はお母さんの弟、真生ちゃんの息子で、高校は違うけどそんなに遠くないところに住んでいる。

男の子だけど、背が低くて、多分、160cm前後くらい。

しかも顔もかっこいいというより、女の子顔負けの可愛さだから、男の子の友達が少ないあたしでも一緒によく遊んでた。

「今日は泊まっていくでしょ?」

「そうだな、どうせ明日も暇だし…今、凛が受験間際で家中ピリピリしてんだよ。あいつ、かなりギリギリだからさ。」

凛君は瞬君の弟で今、中学三年生。

バドミンドンがすっごく得意で、のんびりしてる瞬君とは反対でクールで冷静な印象。

昔から組み合わせ的にはあたしと瞬君、真結ちゃんと凛君っていうのが多かったのもそのせいかも。

「今日はお母さんがお鍋するって!雪もふってるからちょうどいいよね!凛君も食べにくればいいのにね。」










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