君のとなりで
息苦しそうな実結の頬をそっと撫でる。白いおでこに張り付いた髪をすいてやるとうっすら目を開けた。

「そ…う…」

熱のせいで潤んだ瞳を俺に向ける実結。

「無理すんなよ、熱、あったのに。」

「ごめ…ね…」

しゃべれないくらいしんどいくせに。実結の柔らかい髪を撫でる。

「ゆっくり寝ろよ?日菜さんもうすぐ来るから。」

そう言うと実結は安心したのか、こくんと頷き、目を閉じた。

山下に言われたことが甦る。

もう少し実結にこたえてあげて…か。

でも俺はこいつのこと好きすぎて、きっと実結以上に好きで、だからどうすればいいのかわからなくなるんだ。
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