君のとなりで

幼なじみ side颯

素直になれない。


「颯ー!おはよーっす!」

後ろからだいぶ強い力で背中を叩かれ、朝からハイテンションのこいつに更に気分は萎える。

朝が苦手な俺は低血圧で機嫌が悪い。

「ちょっとちょっと、無視すんなよー?そんな怖い顔しちゃってさー!」

どうしたらそんな朝から大声がでるんだよ?

教えてほしいもんだ。

こいつは坂本昂、小学校からの腐れ縁。

同じクラスで部活も同じバスケ部だ。

「そういやあ、今日は颯と実結ちゃんの付き合い始めてから一年の記念日だよな?なんか用意してんの?」

他人のことなのによく覚えてんな…


あの日からもう一年もたつのか…

俺にはずっと好きな子がいた。

多分だいぶ小さい頃から好きだったんだと思うけど、自分で自覚したのは小学四年生頃。

マンションの部屋が隣で親同士も仲が良く、物心ついたときには隣にいた。

俺の幼なじみの藤咲実結。

天然でドジで、見てて危なっかしい素直でお人好しの実結。

小さい頃から俺にとって実結は特別な存在だった。

幼なじみとして好きだと思っていたが、1人の女の子として意識し始めた小学四年生の頃。

クラスメイトの男友達に実結が好きだというやつが俺に協力しろと言ってきて。
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