君と僕の一夜物語



『…スー…』


「っ!」



寝息が聞こえる

外からの声は、
窓から月夜と共に届く
かすかな風と虫の音のみ


そのせいか
やけに寝息が大きく聞こえる



(…平常心、平常心)


こうして、夜が明けていく


夏を告げる蝉は、
もういなくなっていた




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