兄貴がイケメンすぎる件
それでも君が大事!な件
健にキスをされそうになっていたら、突如翔太から電話がかかってきた。
「!?」
突然の着信にびっくりして、お互いの動きが一瞬ピタリと止まったけど…
「…健、電話が…」
「だめ。どーせアイツだろ?出んなよ」
健はそう言って、ポケットから携帯を取り出そうとするあたしの腕を押さえつける。
その直後に、また躊躇いもなく健の顔が近づいてきて…
「…っ…」
あたしが健のキスを避けるように横を向いたら、健が呟くように言った。
「…やっぱ嫌なんじゃん」
「!」
「だったら最初から拒んでろよ、」
そう言って、健はあたしの身体から退いてベッドの隅に座る。
「…電話、出れば?」
「…」
そしてその健の言葉にあたしはベッドから起き上がると、一旦心を落ち着かせてその電話に出た。
「…もしもし、」
小さな声で電話に出ると、電話の向こうから翔太の低い声が聞こえてきた。
「世奈ちゃん、今何してるの?」