僕と8人の王子



もうやるしかない。

一か八かだ!



「何のこと?僕は男だよ。じゃなきゃ男子校になんて入れないよ」


そこでふと今まで考えたこともなかった疑問が湧き出た。

《そういえば戸籍は女なのにどうして男子校に入学できたんだろう?》

まぁ今はそんな事考えてる余裕なんてない!


「そっか。そうだよね」

「そうだよ!よかったわかってく…」


僕の言葉を遮るようにして、


「じゃあ僕の前で脱げるよね。上だけでいいよ」

(え?えぇぇぇ⁉︎)

「どうしたの?早くしなよ。男同士で恥ずかしくもないでしょ」


そんな事言われても出来るわけ無い。

でも、脱がなかったらバレる。

かと言って、脱いでもバレる。


(でも高校中退は絶対に嫌だ‼︎‼︎)


僕の手は今にも上着を脱ごうとしている。

でも、手は震えていて目には涙が浮かんでいた。







ギュッ



突然抱きしめられ、訳が分からなくなる。

強い温もりに、ただただ困惑した。




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