黒太子エドワード~一途な想い
一章 宮廷革命~母と愛人の末路

プロローグ

 「黒光りがする鎧をいつも身に着けていた」からなのか、騎行戦術等によるその残虐性故か、「黒太子(こくたいし)」と呼ばれるようになった、イングランドの王太子、エドワード。
 彼は、国王エドワード三世の長男としてその将来を期待されたが、四六歳という若さで亡くなっている。
 プライベートでは、同じ宮廷で同じ時間を過ごした幼馴染のジョアン・オブ・ケントを一途に想い、彼女に二度の結婚歴があるにも関わらず、彼女の夫が亡くなると、周囲の反対を押し切って結婚している。
 なかなか情に篤く、一途な青年だったようである。
 
 しかも、彼の父、エドワード三世は、即位したものの、母とその愛人に実権を握られ、成長してから革命を起こして、その愛人を処刑し、「本物の国王」になっている。
 どちらも面白いので、まずは父、エドワード三世の革命から書いていこうと思う──。
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