もう、好きじゃないから
「ごめんね。黙ってて、実はね。1年前に、そう、みさきちゃんが会社辞めた
くらいかなぁ…。うちの商品を扱ってみたいって話しがあって、奏の会社に
行ったの。その時、凄く、奏が落ち込んでたから飲みに誘って、話し聞いたのよ
それで、みさきちゃんの事を知ったの」

暫くして、
「奏の会社を辞めた子がうちに入って来た事知って、奏に確認したら、なんと!
奏の想い人が、みさきちゃんだったって
何とか、仕事慣れるまでは、見守って
あげてって。その代わり、様子は、
メールで知らせるって約束したわけ!」


「で!今日が何の日かわかる?みさきちゃん?」

「えっ?今日…。あっ!私の誕生日。」
抱きしめる奏が私を見つめた。

「27歳おめでとう。これ、プレゼント」

手のひらにのせられたのは、

キラキラした指輪だった。

「こんな高価なもの?」

「ずっと、渡したかったんだ。みさき?
好きだよ。みさきの未来俺にくれない?

ポタポタッと落ちる涙。

奏の指先が頬を撫で雫をすくい取る。

「返事は?」
「私、なんかでいいの?」

「みさきじゃなきゃダメなんだ。」
「うっふぇ〜ん」


お店のお客様達まで、拍手。

あちこちから、
「おめでとう!!」
パチパチ!!

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