あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─
不意に戻された視線が冷たい。漆黒の瞳に映る世界が見えない。


「幸次は、アイツだけは、…本当に何も知らなくて。殺すつもりなんてなかったんだけどな。でも、正直過ぎる奴だから、だから、」
「……聖?」
「あの週刊誌の記者に目をつけられた」
「!!」
「目をつけられて、全部、喋ろうとしていたから、……俺が、」


夏の爽やかな風が、聖の前髪を浚っていく。


「川で見つかった死体、あの記者のなんだ。俺の服を着せて、首だけ切って。だからもうすぐバレるとは思うけど。でも大丈夫」


心臓が痛い。心臓が煩い。


「その前に、終わるよ」


ふわりと元に戻った髪が陽に透ける。いつも、いつの日も穏やかだった聖。でもそうじゃなかった。俺達と違って、ほんの少し、感情が奥の方にあっただけ。隠して過ごしていただけ。

本当は、誰にも止められないような激情を持っていたのに。

ぽたり、ぽたり。
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