あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─
堪らずキツく目を瞑った。すると確かに触れた彼女の冷たい指先。


『《ちーちゃんからはどこをもらおう?》』
「!!」


強張っていた身体の力が一気に抜けていく。やっぱり美菜だ。美菜以外にあり得ない。俺達を、俺を殺しに来るのか。確かに復讐をされたってなんの不思議もない。けれど、この美菜は一体。

幽霊、幻、夢、実は生きていた?

いずれにせよ、これでハッキリとした。ハッキリと解らされた。綾の死は〝あの日〟に原因があり、美菜が関わっている。そして。


「……足って、何だよ」


陰の気配が消え、再び戻ってきた真夏の太陽。

長い沈黙を経てやっと声にできた言葉の、その意味を知るのは。

――あと数時間後のこと。
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