あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─


翌朝、俺達が美菜を見たあの河川敷で幸次の遺体が発見された。

〝後、二人で完成〟そう書かれた紙と、綾と早紀同様に切断された肉塊の内に隠されたメッセージ。〝次は頭を貰いに行く〟


「………こうじ?」


青いシートに包まれた、幸次であろう無機質なその膨らみ。


『母ちゃんの唐揚げウマいから食ってみ?』 
『聖ン家でも思ったけどなんか修学旅行みてーだな』
『明日も喋ろう、いっぱい。喋ろうな、千秋、聖』

『おやすみ』


足元が覚束ない。そんな、嘘だ、うそ、だってゆうべ、あんなに、


「こ、うじ……幸次…!幸次っ…!!」
「君!立ち入り禁止だぞ!」
「あ゙あ゙ぁぁあああああ!!!」


夥しい量の血が、平らなコンクリートの色を変えている。まだ鮮やかなその色。目の前に広がる光景は、いつかの自分になるだろう。俺には点と点がはっきりと繋がって見えていた。

そう、最後はきっと俺。

下半身は、美菜を何度も何度も蹂躙したソレは、――俺の分だ。
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