最初で最後の私の恋物語
第一章

5年前ーーー

とあるジメジメとした夏の日。

「...大人しくしてろ!」

銃を頭に突きつけられた。

「ヒィィッ!!....お母さん〜」

少女は大声で泣き叫んだ。

「お前殺されたいのか!!!」

男はこめかみの辺りを強く押し当ててきた。

ねぇ、誰か....誰か助けてぇ!

まだ....まだ死にたくないよ。

お母さん、お父さん助けて!!

男は携帯を取り出し何処かへ電話をかけた。

「チッ...。てめぇの親に電話つながんねぇんだけど...。もうお前は用済みだ」

「さっさと殺してやる。恨むなら俺じゃなくてお前の親を恨むんだな」
< 1 / 119 >

この作品をシェア

pagetop