終わりかけの永遠に
社長室の前、千歳くんは、緊張気味。


「大丈夫。きっと、お父さんなら」


私がそう言うと、千歳くんは頷き、ドアをノックした。


「どうぞ」


ゆっくりと扉を開ける。


「失礼します」

「君が、騎田千歳くんか」

「はい」

「莉愛は、彼をデビューさせたいんだな?」

「うん。千歳くんなら、絶対に成功する」


お父さんは、千歳くんの目をじっと見詰めた。

千歳くんも、お父さんの目を真っ直ぐに見詰める。


「いい目をしているな。いいだろう。莉愛が言うなら信じよう」


お父さんのその言葉に、千歳くんは嬉しそうに「ありがとうございます!」と言った。
< 124 / 128 >

この作品をシェア

pagetop