終わりかけの永遠に
その日の放課後、俺と明は一緒に帰ることにした。
幸い、まだ明は何の被害にも遭っていないようで。


「千歳、何かされてないか?」

「うん。大丈夫」


明には、何も言わない。
心配されたくないから。
いくら周りに嫌われても、明と一緒にいれたらいい。

そう思っていると、明が「あー!」と声を上げた。


「どうかした?」

「俺、教室に家の鍵忘れてんだよ。わりぃ、取ってくるな」

「分かった。待ってる」


明はダッと駆け出した。
俺は下駄箱に縋り、ボーッと外を見ていた。

そう言えば、最近ギターを弾いていない。
部活もサボり気味だ。
明日はちゃんと部活に出よう。
廃部にされたら困るし。

そんな、何気無いことを考えていた。
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