身長差43センチのふたり。
「ごっ、ご飯…一緒に食べない?」
『うん。分かっ――』
『えっ!?何、お前ら付き合ってんのっ!?』
っっ!?
両手に抱えたお弁当箱を掴む力が自然と強くなっていくのを感じながら、高遠くんの了承の意を聞いていると、前方から掛かった教室中に聞こえるような大きな声が飛んできた。
驚いて顔を上げると、そこには目を丸くさせた鳩村くん。
鳩村くんの声を聞いていた教室にいる全員が一斉に私と高遠くんに注目するのが周りを見なくてもわかった。
どっ、どうしよう!?
『あーもう、あとでシバくかんな、鳩村。』
『えぇっ!?』
恥ずかしさで赤面している私に気付いてくれた高遠くんは、咄嗟に皆の目から私を隠すように私の目の前に立ち、鳩村くんを睨んだ。
『行こ、雛乃。』
「っ…!」
ザワつき始める教室内から、動けない私の腕を優しくつかんだ高遠くんが引っ張ってくれたおかげで、教室から出ることに成功した。
でも、教室を出る瞬間、振り向いた先にいた目を見開いている華ちゃんと目が合って、すごく申し訳なさが募り、心が苦しくなった。