身長差43センチのふたり。



「あり、がと…っ」

『いーえ。』


ドキドキしすぎて、千尋くんの方を向けない。

きっと私、また真っ赤だ…。

千尋くんといるとどうしても赤面せずにはいられないから、自分が嫌になる。

千尋くんを前にすると私は心の余裕をいつも失くしてしまうから。


『…顔赤いけど、大丈夫?』

「えっ?あ…うん、大丈夫…。」


当の本人は何とも思っていないのか、私が赤面している理由を熱のせいだと勘違いしている。

千尋くんが鈍感でよかった…、と思った私だった。


「…千尋くん。」

『ん……?』


今まで知らなかったけど、私は意外と甘えん坊なのかもしれない。


『っ……!』


私に背中を向けていた千尋くんの腰に腕を回して、千尋くんの背中にピッタリと抱き着いた。



< 287 / 384 >

この作品をシェア

pagetop