身長差43センチのふたり。



甘い春の匂いが鼻孔を燻って笑みがこぼれる。


「千尋、今度お花見しない?」

『おっけ。じゃあ、リサーチしとく。』

「ありがとっ」


そして、これからも私たちは新たな思い出をたくさんたくさん作っていくことでしょう。

愛しい貴方が隣にいるだけで、私は幸せになるのです。

愛しい貴方と過ごした時間が、私の最高の思い出となるのです。


私と彼の身長差43センチ。

遠すぎって?

そんなの関係ない。

私と彼の心の距離は1ミリもないのだから。


それに、身長差なんて私が埋めて見せる。

私が背伸びをして、彼が屈んで――ほら、身長差なんて気にすることなんてない。


「千尋――好きだよっ」

『何?いきなり。――まぁ、俺は大好きだけどな。』


これからも私は恋をし続けることでしょう。

私よりも43センチも高い彼に。



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