身長差43センチのふたり。



『え?そんな話、してた?』

「うんっ、あっ、高遠くん達はドリンク取りに行ってくれてたから、その時は華ちゃんと2人きりだったけど。華ちゃんね、久松くんのこと好きなんだってー!」


――ん?あれ。

勢いのままに思ったことを全て口にした時点で固まった。

あ、言っちゃった。華ちゃんに言わないでって言われたのにー!


『こ、小日向…?』


ピタリ、と動かなくなった私を心配してくれたのか、高遠くんが高い身長を曲げて、私の顔を覗き込む。


「たっ、高遠くんっ!」

『っ、な、何…?』


自分の口の軽さに泣きそうになる。まだ、言った相手が高遠くんで救われた。本人の前だったら、私はきっとこの先生きていけなかっただろう。

私は縋る思いで、屈んだ高遠くんの腕を掴んだ。


「このこと、内緒ねっ!」

『え…?』

「久松くんと華ちゃんには、絶対絶対っ言わないでねっ!?」


口止めしなきゃ、とすぐに思ってしまった私は、どんなに非情な女なのだろうか。

自分で自分が悲しくなった。

とりあえず……華ちゃん、ゴメン。



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