優しさに包まれて
18時30分になったので荷物をまとめ優希のところへ向かう。

『優希。常務の指示で今日は会議欠席でいいって。帰ろ。』

私の言葉に

『うん…。』

優希は小さく頷いた。

会社を出ようと通用口に向かっていると

『阿部部長と大塚課長の彼女になると会議も免除してもらえるの?』

聞き覚えのある声が聞こえた。

振り返ると、そこにはシステム部の木下さんと総務の橋下さんが、すごい形相で立っていた。

『彼女だからとか、そんなことではありません。今日は常務の指示で…。』

由華の言葉に

『へぇ。常務とも何かあるの?』

『違います!』

今度は優希が怒りのこもった口調で答えた。

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