優しさに包まれて
そのまま公人のマンションの前からタクシーに乗り、私のマンションへ。

部屋に入り、公人はソファーに座った。

私は、コーヒーの準備をしなから、

『こっちだと、ゆっくりできないですよ。』

そう伝えると、

『大丈夫。だって明日は夜ミーティングの日だから、俺達、遅番出勤だよ。』

公人は、勝ち誇ったような顔をした。

私たちの会社は週に1回、主任から上の役職全員が集まるミーティングがある。

営業中だと集まるのが難しいと言うことで、このミーティングは、営業終了後の18時30分以降の開始になっている。

残業になるのが嫌だという意見が多かったため、最近は、夜ミーティングの日だけ遅番というシフトを組むのが決まりになっている。

その日は、12時出勤で21時までの勤務になる。

『そっか。明日、ミーティングでしたね。じゃ、由華も課長も遅番なんだ。結構、飲んでたから心配してたんですよ。』

『優希。また敬語になってる。』

『あっ。ホントだ。もうクセだから直すの大変かも。』

『まぁ、少しずつでいいよ。』



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