ソプラノ【BL】
引きずられながらもがいていると初めて出会った(?)音楽室に連れ込まれた。

「お前、さっきなに話してた?」

腹に響くような低い声やはりあのソプラノとは似ても似つかなかった。

「へっ!?な、なんにも....!」

「嘘つけ。」

眉間にしわを寄せて睨まれる。

にっ逃げないと!!

「......悪かった。」

「ふへっ?」

突然の謝罪に驚いて情けない声を出してしまった。

「俺はお前を殴りたい訳じゃないし、いじめたい訳でもない。だから、そんなに怯えんなよ...別になにもしねぇよ」

不良上級生は俺に背を向けながら言った。

嘘だぁ....最初俺、脅されたんですけど!?

「は、はい....」

そうは言われてもやっぱり怖いものは怖くて少し逃げ腰になってしまう。

「俺、高峰色タカミネ シキっつーんだ」

「え、あ、はい 俺は、斎藤翔ッス」

「ん。」

「「...........」」

え?!俺ってこれだけの為につれてこられたの!?

なんとも言えない沈黙が続く。

先に沈黙を破ったのは高峰先輩だった。
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