私の決心
部長が声をかけてくれた。

「あとは納品先の確認で終了です。これは園田君にさせますね。」

「そうだな。じゃあ、昼から外回りに出るか。」

「さっきの件の問屋さんに寄ってもらって良いですか。やっぱり会ってお礼言いたくて。」

私はチラリと部長を見る。

「そうだな。結構無理をさせちゃったからな。やっぱりそれは必要だろう。」

私は園田君を呼ぶ。

「はい、分かりました。ちゃんと電話を入れておきます。これから武田部長と外回りですか?」

「そう。あちこち様子見てくるわ。もちろん、この件で問屋さんにも寄ってくるわね。」

「はい、分かりました。でも最近よくお二人で出かけられますね。」

園田君は私達二人の様子を伺うように言う。

「部長の定年前の引継ぎを兼ねているからね。それが終わったら、園田君に引き継がなきゃならない私の仕事も整理しなきゃ。またその時はよろしくね。」
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