甘い果実とチョコレート
────────4月。
「わっ、ごめん」
「す、すいませんっ!」
入学式の日。
教室へ向かおうとしていた私は急いでいた。
でも、階段の角を曲がったとき、誰かとぶつかってしまった。
「大丈夫?怪我ない?」
それが、奄美先輩。
「はい...」
まるで、次元が違う人のようだった。
それから廊下などですれ違うと、こっちを見て微笑んでくれたり。
ちょっとした幸せがわたしの心を埋め尽くしていた。