不思議の国の女王様
 
 無法地帯であることは、重々承知していた。



 その上で足を踏み入れたのだ。




「……ハハ……」




 弱い笑みが漏れる。



 直後、腹を襲う鈍痛。



 押さえた先から、ワイシャツが赤く染まる。




 くそ、笑うことすら許されないのか。




 ――ならば、手を伸ばそう。
 
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