不思議の国の女王様
 
「闇はすぐそこにある。こんなところをほっつき歩くようなら、わらわの部屋に閉じこもっていろ。多少はマシなはずだ。それぐらいは許可してやる」



 矢継ぎ早に発せられる言葉はどれも冷淡で、硬い。


 自分よりもずっと低いはずなのに、頭上からナイフを振りかざされたような感じだ。



「ヒマなら話し相手を呼んでおいてやる。今日は部屋から一歩も出るな。よいな」



 有無を言わさぬ態度で言い放ち、女王は正面に向き直る。


 今度はジャックも無言だった。
 
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