三角の距離
時間はすぐに過ぎていき放課後。



ひろくんが教室に来た。




「なぁちゃん。今日さデート、やめる?」




ちょっと寂しそうな声で、困った顔で、私の顔色をうかがうようにのぞきこんで言った。



なんだ、もう知ってたんだ。




「ううん。大丈夫。」




ムリに笑顔を作った。



たぶんひろくんにはバレバレの作り笑いだろう。




「…でも話、聞いてもらっていい?」




もうすでに泣きそうだった。



それに気づいたのか、ひろくんは私の手を取って歩き出した。

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