三角の距離
-ひろきside-


いつものように教室でふっかが来るのを待つ。



そしたらなぁちゃんにも会えるから。





ガラガラッ。



ドアの前にふっかが見えたからかけよる。




「ふっかぁ!はよー♪…ってあらら。ゴキゲンななめな感じ?なぁちゃんとケンカでもした?」




本当は聞かなくたってわかる。



なぁちゃんがいないってことはそういう事だ。



言い当てられて動揺してるんでしょ?



だってほら、目が泳いでる。





言いたいなら言えばいいのに。



おしゃべりな俺にはわかんない。



辛いはずなのに。



そんなに溜めこんで、いつかは絶対こぼれちゃうって知ってるのに。



だけどやっぱり




「いや、別に。」




そうやってごまかすんだ。



目線を合わせようとしないふっかを見て、このケンカの原因は俺かなって思った。





それ以上は聞けなくて




「そ?ならいいけど。あっそーいやさ……」




気まずくなるのもイヤだし、話題を変えた。



きっとふっかだって聞かれたくないでしょ。



それに、当人同士で解決してほしいから、俺はだまって見てるよ。



もしものことがあっても…俺は引かないし負けない。



あとはふっか次第だよ。

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