好きを百万回。


爪もおそらくサロンで手入れしているんだろう、薄いピンクに塗られている。

女子力高いって彼女みたいなこと言うんだろうなあ。

しかも彼女は常務の娘なのでみんなが微妙に気を遣う。

「若手親睦会、また欠席?」

「ごめんなさい、水曜日はどうしてもダメなの」

「1回くらい何とかならへんの?」

「ごめんなさい」

若手親睦会・・・・・。銀行の独身者が集まる合コンみたいな飲み会だ。水曜日が早帰りと決められていて残業がしづらいので、どうしても水曜日になってしまう。

「まあええわ。木下さんいてもいなくても一緒やし」

苦笑いをするしかない。
わたしは飲み会と名がつくものは苦手で極力避けている。

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