好きを百万回。


どこの王子様・・・・・・・・・・?




「オレも責任とった方がいい?」

「は?」

「いや、山岸が責任取るって言ってたから」

「取らなくていいです!わたしが勝手にコケたのに」

野波さんが肩を震わせながら、わたしの膝に何かを巻く。

「擦りむいてる」

よく見ると、野波さんのハンカチだ。

「野波さん!ハンカチ汚れますよ!」

「パンストも破れてるし、血も滲んでるし、巻いて帰りなよ」

「すいません・・・・・」

なんでこんなにドンくさいんだろう。地球の裏側まで穴を掘って隠れたい気分だ。

野波さんがわたしの右手を取り、自分の腕に絡めた。

「転ばぬ先の杖って言うし?」



駅に着くまでの僅かな時間、王子様にエスコートされるお姫様気分を味わう。

さりげなくこんなことが出来る王子様は、やっぱりわたしとは違う星に住んでいる人・・・・・・・・・・。
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