好きを百万回。

「キルトの先生のお手伝いに行ってくる。帰りに買い物とかしてくるから帰りはちょっとわからへん」

「お母さんも昼から出版社の人と打ち合わせ。こまり、イイ男にナンパされたら気にせず外泊しなさいね」

「しーまーせーん。どんな親よ」



白地に黒のボーダーのカットソーに黒いロングカーディガン、スキニーデニムと黒いショートブーツ。肩甲骨まで届く髪は顔の横で一つに纏める。動きやすさ優先だ。

ウチから先生の家までは歩いて10分ほど。先生の家の手前10ｍくらいのところでちょうどメタリックブルーの車が止められるのが目に入った。
先生が言ってた人かな？

運転席から背の高い男の人が降りてくる。

濃いグレーのニットに細身のデニム。脚が長くてバランスのいい体躯。