やばいトコを見られたっ!
「まあ、そんな固いこと言わないでさー」


社長はコホンと咳をすると、目の前で人差し指を立ててこういった。


「実は、優奈ちゃんに、写真集の仕事が決まるかもしれないんだ」


「え?」


「講英館の常務が、優奈ちゃんのグラビアを見て、気に入ったらしくてね。

写真集の部門に、優奈ちゃんのこと、推薦してくれるみたいだよ。

その前に一緒に食事をして、もっと優奈ちゃんのことを知りたいって言ってきたんだ」


「もっとよく知りたいって……なんか、そこはかとなく嫌な予感がするんですけど」


眉をひそめたあたしの両肩を、社長が

「大丈夫、大丈夫」

とたたいた。

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