やばいトコを見られたっ!
***


翌日の夜。

あたしは、都内のシティホテルのロビーでその常務を待っていた。

もちろん、朝まで付き合うつもりなんてサラサラない。

食事をしたら、「体調が悪い」と嘘をついてでも帰るつもり。


「それにしても、このワンピの趣味の悪さったらないわ……」


コートの下に着ている、社長から渡された黒いワンピ。

やたらセクシーなデザインは、社長の好みだろうか。


悪趣味。


考えてみたら、このワンピを着てこなくたって、バレやしなかったのに。

言われるままに着てきてしまったあたり、あたしってば根が素直なのよね、なんて思っていたところ

肩をポンとたたかれた。
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