初恋は一言から
ガチャッ。
「さあ入って」
魏姫を連れてきたのは理事長室。
つまり僕の部屋。
ここなら人があまり来ないから連れてきた。
僕が学校をつくったとき、そういう構造にしたからね。
さっきから気になるのは魏姫が静かなことだ。
ちょっとイヤな予感が…
「あの理事長。いつも通りにしてもいいですか?ここなら人も来ないし」
言うと思った‼︎‼︎!!!
ええ〜でも…
確かに人も来ないから…
「……いいよ」
渋々いいことにした。
魏姫は満足そうに笑った。
ああ、いつも通りになっちゃった…
イヤな予感的中。
「ああダルかった〜ねぇ氷瀬乃(ひせの)クン?」
「スミマセン」
性格がさっきと違いすぎる。
正直怖い。
いつも通りの魏姫に逆らうと半殺しにあうので大人しく謝る。
「なんであたしが呼び出したのに他の先生に頼んでいるのかな?」
やっぱり怒っていたかそのこと。
正直に答えよう。
「面倒くさかったからです」
「へえ〜そうなんだ。まあいっか。で、話は変わるがアイツらはどうしてる?この学校の生徒だろ?」
ええ!?
あの魏姫がスルーだった!?
すっっっっごいビックリ!
そういやぁ魏姫が言うあいつらって…
「アイツらって?お前の族の人か?」
「ああそうだ」
やっぱりか。
魏姫は世界最強の族の迅竜、元僕がいた族の現総長だ。
喧嘩が強いのは全員当たり前。
なので世界第2位と物凄い差がある。
なんでこの学校に魏姫の族の人がいるかというと…
今の迅竜は偏差値が70以上無いと入れないからだ。
ちょー頭のいい族です。
身寄りがない子供を見極め、幹部の目にとまった子しか入れない。
身寄りがある場合は……のちにわかる。
ちなみに魏姫の成績は常にトップの天才です。