初恋は一言から

えっ…マジで?

「ああああ‼︎‼︎‼︎!!!ここどこ⁉︎!?!?」

さっきから同じ場所を行ったり来たりしてる。

なんでこの学校は島がついてんだ⁉︎

面積どれくらいなんだよ。

一番端の校舎ってどこだよ!?

一度見たら地図でもなんでも忘れないけど、まだ見てないから迷う。

最悪。

本当今日はついてない。

「あ"」

「えっ…」

マジで最悪。

今、一番会いたくないあの 刹戯 (せつぎ)だっけ。

まあそんな名前の先公に会ってしまった。

「いたいた。若蛇さん。入学式始まるけどなんでここにいるの?」

「理事長に許可もらったんで……」

「理事長?許可下りてるの?」

「はい」

よっしゃ!

これで入学式に出なくて済む‼︎

「あっそう、でも新入生代表挨拶だから出ないといけないんだよ?」

そういって刹戯はあたしの肩に手をポンっと置いた。

「あ、あははははー」

「おいで」

「はい…」

ここで逆らったらいろいろやばそうなのでおとなしく従う。

「じゃあちょっと待ってて」

そういって刹戯はポケットからタブレットを出した。

指をスクロールさせ、なにかしている。

「よし。これで送信完了っと」

なに? 送信完了って?

「なにが “送信完了” なんですか?」

「うん?車の手配」

「は?」


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