初恋は一言から

妃出之園

「ふはぁ〜」

少しマヌケな声が出る。

やっと家に帰れたんだもん。

今日、1日中忙しかったし。

まさか四天王とかいう役割に着くとは思わなかったんだもん。

「四天王か…」

あの後氷瀬乃に四天王についての紙を渡され、帰ってきた。

帰ったのは寮に入る予定じゃない人と四天王だ。

ちなみに四天王は寮に入るのが決まりだ。

なので正確に言うと帰ってきたのは寮に入る予定じゃない人とあたしと魅火流だ。

あたしのクラスはわかっているけど…誰と同じクラスなのかは知らない。

3王だった頃は3王1人につき1つの教室だったんだよね。

どうなんだろう…

まあ明日になればわかるからいっか。

そう思って眠たい体を起こす。

帰りに魅火流とスーパーによって夕飯の材料を買った。

さて、お母さんに頼まれた仕事は…洗濯物を畳むのと夕飯の準備の手伝いか。

先に夕飯の準備手伝うか。

トントントン。

階段を降りて食堂に行く。

食堂ではもうお母さんが夕食の準備を始めていた。

「手伝うよ」

「ありがとう。じゃあ味噌汁作ってくれる?」

「うん」

トントン。

グツグツ。

あたしはお母さんの隣でこの音を聞いているのが好き。
< 51 / 107 >

この作品をシェア

pagetop