十日目の判決 -完-

3. 5月15日







はぁ〜眠い。


「いのちゃん、大丈夫?」

「大丈夫だ。おはよ」



結希は今日も穏やかニコニコ笑顔。

昨日、お母さんがDVDレンタルしてきたから夜更かしして全部みてしまった。今日の瀬田家は寝不足だぜ。

お母さんはもう寝てそうだけど。


「ふふ、おはよう」


くつ箱で合流した結希と一緒に教室へ向かう。


「今日、金曜だから一週間のレポート出さないといけないね〜」


結希が声のトーンを低くして言った。

私の学校は金曜日に一週間習った事のまとめのレポートみたいなのを提出しなければならない。


あー、朝から頭が回らない。


「結希、古文まとめた?」

「あ、うん。いのちゃんに言われるようになって最初にするようになったよ〜」

「うつす。」


私は古文だけは自分の頭を使って考えたくない。だから毎回、結希がまとめたのを借りてる。


「あはは、了解〜」


結希はお得意のはにかみ笑顔をする。ひまわりみたいだ。


眩しいぜ。




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