十日目の判決 -完-

5. 5月17日






昨日は結希と初めて休日を一緒に過ごした。


私はだらだらとソファーに寝転びテレビを見る。女子高生らしからぬ日曜の過ごし方だ。日曜日だからお父さんも家に居るのだが、私にソファーを陣取られているので雑魚寝でテレビを見ている。

私があたりめを噛むと、お父さんはポテチをかじった。食べるものが逆だと思うのは私だけなのだろうか。だってお母さんが私の前にはあたりめを、お父さんの前にはポテチを置いたんだ。


動く事が面倒くさいから取り替えないわけじゃないからな。別に。




「お〜!いの〜、男に捨てられたか〜?」


兄だ。リビングに兄が入って来た。というか、兄よ、君は一昨年から一人暮らしをしていると思うんだがこの実家にいる事のほうが多くないか?気の所為か?気の所為じゃないよな。


「なんだよぉ、落ち込むなって〜」


落ち込んでない。捨てられてない。妹が休日に家にいたらいかんのか。昨日、キスマークの事言わなければよかった。彼女にバレて捨てられれば良かったんだ。


はぁ、くそ。こんな兄を私は持ちたくなかったぞ。


彼女がいるのに兄が他の女といちゃこらするのは日常茶飯事だ。兄は中学の頃からこうだ。遊び癖が酷い。そして、兄の彼女さんは兄と中3の頃から付き合っていてもう6年はたつ。


なぜ、浮気がバレないんだ。



これは瀬田家の謎だ。


お母さんもお父さんも思っているはず。



私はリモコンをとってテレビのチャンネルを変えた。







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