誘惑の毒林檎
ねまきに着替える
そしてもらった本を読んだ
どうしているだろうか
花崗
葉月ちゃんが東京に行って1ヶ月たった
私もそろそろ体がなまってきた
足ももう動かないだろう
家内も、私が死ぬ気で待っている
あのこが今の私をみたら何て言うだろうか
優しいあのこだから…きっと泣いてくれただろう
これは私の最後の小説
死ぬ前にあのこに会いたかった…
葉月ちゃんにもらったサングラスをまだ持っています
あのこはもう笑っただろうか…
あのこはもう泣いただろうか…
葉月ちゃんは実の孫のように思っているよ
花崗さんらしくないな…
こんな弱気なんて…
「…みっ…かげ…さん…」
いつぶりだろう…
こんなに泣いたのは
『月葉ちゃん、笑うのが嫌なら笑わなくていいよ
いつか笑いたいって時がくるまで…
楽しみに待っていなさい…
私は月葉ちゃん、の…
家族だから』